ヒューベリオンさんのチタンマフラーVer.2装着記

4年前にアルロイテにてワンオフしたチタンマフラーですが、赤城山でヒットさせて損傷して以来、強度が低下してしまい、
割れが最近頻発するようになってしまいました。

溶接して1から作ったマフラー故に、通常のマフラーと異なり割れても補修ができるのが美点の一つでしたが当然、補修し
た個所は上から溶接を盛る形で補修をすることになるため、補修部分は金属としての柔軟性低下や酸化が進行して強度
が落ちてしまう為、またその部分が割れ易くなるという結果を生じます。これまで何とか騙し騙し補修を繰り返しながら、
使ってきましたがここ最近、オイル交換のサイクル程度で割れが生じるようになり始めたのと、酸化により内部の消音効果の
役割を果たすグラスウールが劣化して、抜けが進行をし始めた所で新調することとしました。

4年間でチタンマフラーの技術も進歩し、溶接部分の強度を向上させる機械や、より薄型のサイレンサーがラインナップに
登場するなど、新たな技術とパーツを使用することで、初代より洗練度の増したマフラーを作ることができました。
基本的に作っていく過程は初代と全く同じですので、今回は初代との比較、並びにデータを中心としました。




新テール&太鼓
旧テールエンド
旧サブ太鼓

Newテールエンドとセンターのサイレンサーです。
重量はテールエンドがわずか1.5kg。
サイレンサーはこの大きさで3.5kgしかありません。
テールエンドは初代と同じく砲弾型。エンド部分は「前と同じ出口じゃつまんないだろ」と言う半ば社長の趣味(笑)で斜め
カットのよりスポーティーな形状となりました。チタン独特の七色の焼きが今回は最初から入っています。異様な長さのサ
イレンサーは全長実に60センチ!真中に加工跡があるのを見れば判るとおり、通常30センチのものを特注で2個繋ぎ
合わせたものを使用しました。初代作成時にはこれが出来なかった為、2基がけとして対応しましたが、構造が複雑にな
る(悪く言えば洗練度が落ちる)為、割れが頻発したのは実はこの個所でした。
初代のサイレンサーは写真の作成当初から、最終的に繋ぎ目の部分に2箇所の補強板の追加と架台増設を行い、
更にセンターパイプとの繋ぎ目の部分にも前後に2枚づつ、合計4枚の補強版を追加する大掛かりな補強を行っています。




新サブ太鼓

取り付けられた状態のNewセンターサイレンサーです。
厚さもより薄型となり、初代と比べて2センチ程度、取り付け位置を上げることができました。
初代でも13センチ程度のクリアランスがありましたので、これでよほど無謀な運転をしない限り、ヒットする確率は
ほぼなくなったと言えるでしょう。但しこの部分が未だに最低地上高の部分なので注意は必要です。
溶接も酸化を抑え、強度を増す新しいアルゴン溶接技術を使用しているので、押して動かしてみてもガッチリとした
感覚があり、割れの耐性が大きく上がっていることがわかります。架台も今回は左右1箇所づつで済みましたので、
重量面でも軽量化されています。




新チタンマフラー
旧チタンマフラー

Newテールエンド(取り付け後)です。
今回は予めチタンの焼け色付きのものを使用しましたので、焼けの色合いがより一層際立つようになりました。
実際にこれを見てスポーツ系の車が1歩引くことがあります。
(センターからチタン化した車の独特の音も出してますので、テールを見てハッタリじゃ無い事がわかって驚くようです)
テールエンドのサイレンサー部分にリングのようなものが装着されていますが、これはリング状の固定金具で、
テールエンド全体を固定金具で固定して架台と繋ぐことで、振動を全体的に押さえ込み、少ない部品点数で固定ができます。
これも4年間の歳月の間に生まれた新しい技術の一つです。
従来のサイレンサー本体と架台を溶接する方式の場合、振動を抑える為に架台を増設する必要があり、また溶接個所に
振動による歪みが集中する為、割れが出ることがありました。





次に割れて使えなくなるまでと言うことで、初代は補修の上、たくみさんの所へ嫁ぎました。満面の笑みでセンター部分を
持ってポーズを取るたくみさん。片手で持ってますがこれ、決して無理をして取ったポーズではありません。
この写真に写っている部分で実は重さ5kgしかないのです。
ご本人曰く、「俺の仕事カバンの方が重いんじゃないかな」とのこと。
プレはシャーシ自体も長く、おまけに私が静粛性を重視して作ってもらってますのでタイコは2基がけになってますから、
これでもはっきり言って重い部類に入ります。
ちなみにテールエンドは2.5kg。こちらは女性はおろか、2・3歳のお子さんでも持てました。全部合わせても総重量、
わずか7.5kg。この重さは鍛造のスポーツ系17インチホイール1本分という驚異的な軽さです。

後日談になりますがたくみ号に初代を装着した際、取り外した純正のセンター、及びアフター物のステンレスのテールエンド
(ゼリウス)の重さを計測してみたところ、純正のセンターは11kg以上、(パイプがうねっており、手で支えての計測と
なりましたので、実際にはもっと重いハズです)ゼリウスが8.5kgありました。アフター物のテールエンド<ゼリウス>は
純正より軽いですから、テールエンドまで純正だった場合、合計で20kgを軽く超過すると思いますので純正比1/3以下。
センターまでアフター物のステンレスだったとしても、計測結果から推測すると1/2以下の重さしか無い事になります。
Newマフラーは計測してませんが、部品の点数が減ってますので更に軽くできており、7kg丁度もしくは下回る程度と思われます。






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