ヒューベリオンさんのブレーキ交換記2

3年前、車のパワーアップを見据えて導入した
<Outlow社>のS15用強化ブレーキシステムも、数万キロ走行により
ローターが磨り減ってスリットが完全に消えてしまい、ローター自体にも
寿命がきました。

また、キャリパーが強化品としてはかなり小さめであり、プレの車重を支
えるにはやや力不足で、ハード走行による酷使もあって開き気味になっ
てきていました。
ローター交換&キャリパーをオーバーホールして使うか?それとも??
という選択をしなければならなくなった中、更に先のステップを考えて
導き出された答えは、思い切って本物のレーシングブレーキに交換し
ようと言うものでした。

2セット目の強化ブレーキとしてチョイスしたのは、alcon(アルコン)とな
らぶブレーキの名門<AP>。
ブレーキの制動能力はポット数よりローター径とパッドの大きさによって
左右される部分が大きい為、4ポットでも十分過ぎる性能を得られます
が4ポットの場合、ブレーキング時のコントロール性が多少荒くなり、強
力故にドッカンブレーキとなってしまう為、コントロール制に優れる6ポッ
トを。ローターは17インチのホイールでは限界一杯の355φ(14インチ)
を採用しました。

以下の写真はOutlowブレーキキットとの比較や、実際にAPのキットが
取付けられるまでの様子を撮影したものです。
純正はOutlowを導入した際に廃棄してしまった為、3種類並べて比較
に持ち出せなかったのがちょっと残念です。



APブレーキキット
英:APロッキード社製BNR−32用レーシングブレーキキット
・対向異径6ポットキャリパー
・355φスリット入りフローティングローター
・取付け用ブラケット(他ナットなど)
・ステンメッシュブレーキライン
・ルービックス カーボンメタルスポーツパッド
以上がキットの内訳です。
Outlowキット
これまで装着していたOutlow社製
ビックキャリパーキットです。
パッドはまだ半分以上残ってましたが、
ローターは既に限界にきていました。
キット比較
左がOutlow、右がAPのキットです。
純正と比較した時、大きいと思っていた
Outlowのキットですが、APと並べると
かなり小ぶりなのがわかります。
パッド比較@
ブレーキパッドを並べて比較してみました。
上がAP(ルービックス製)、下がOutlow
(PFC製)です。明らかにAP用が1回り以上
大きいです。
パッド比較A
ブレーキパッドを重ねて大きさを比較してみました。
大きさですがAPは150oもの大きさがあります。
Outlowは120oでした。ここに純正の
パッドを持ってくると、これリアブレーキのパッド?
ぐらいの大きさになってしまうでしょう。
ローター比較@
ローターを並べて比較してみました。
左:AP、右:Outlowです。
1インチUPなので、純正とOutlowを比較したとき
(2インチUP)ほどのインパクトはありませんが、
ローターを固定しているベルハウジングの圧倒的な
大きさがAPのただならぬ素性をよく表しています。
ローター比較A
ローターを重ねて大きさを比較してみました。
こうして真上から見ると、APが一回り大きい
サイズであるのがよくわかります。サイズは
AP:355φ Outlow:327φ(実測は330φ)です。
ベンチレーテッド比較
ローターの放熱部であるベンチレーテッド部を比較して
みました。純正と比べればよく作りこまれていた
Outlowのローターも、APと比較してしまうと、
作りこみの違いが歴然と出てしまいます。
放熱フィンの数はAPが約2倍以上、
ベルハウジング部もAPは放熱性を重視した
フローティング式で、熱に対しての耐久性が圧倒的に
高いことがよくわかります。
キャリパー&ローター
キャリパーとローターを一緒に置いてみました。
キャリパーは長さが何と280oもあります。
(参考:Outlowは230o)
この大きさは純正のローター径とほぼ同じ大きさですが、
重さはこんな巨大なのにも関わらずアルミ鍛造製なので、
何と3kgしかありません。これは純正キャリパーの半分、
Outlowより700g重たいだけです。
ローターはインチ換算すると14インチという巨大さで、
8kgの重量がありますが、ベルハウジング部が非常に
軽量の為、純正より1kg弱しか変わりはありません。
バネ下に装着されるパーツだけにこの軽さが大きく
モノを言います。
異径6ポット
ブレーキパッドにかかる踏力を均一化するために
考案された異径ポットがこのキャリパーにも採用
されています。ポットの径をだんだん大きくする
ことにより、通常のキャリパーでありがちな、
入力側(時計の12時側)に大きな制動力が加わり、
出力側(時計の6時側)に行くに従って制動力が
落ちるというバランスの不均衡を補正し、
均一にかつパッドの面積を最大限に活かせます。
これはブレーキパッドの片べり防止にも繋がります。
ブラケット加工
BNR−32用のキットを流用しているため、
ブラケットの取付けボルトの径がプレと合わないので、
タッピングにより径を拡大しています。
(BNR−32:12φ → プレ:14φ)
何でもありの加工はチューンショップならではです。
ブラケット取付
加工したブラケットを実際に取付けています。
穴の位置取りは文句なしだったのですが、
R−32と微妙なキャリパー取付け位置の
違いがあって、ローターと干渉してしまい、
このあともう一工夫を必要としました。
仮装着@
取付けられた様子を見るため、取り合えず1度
組んでみた状態のところです。
うまくいかなかった時のことを考慮して、
実はまだOutlowのキャリパーが台座から
外された状態でブレーキホース付きのまま、
ストラットの所に置かれていたりします(笑)
まだAPのキャリパーにはブレーキホースも
パッドも組まれていません。
仮装着A
同じく仮装着状態を正面から撮影しました。
ホイール:エモーションはメーカー公称で355φ
6ポットを飲み込むことができるホイールですが、
オフセットがある程度外に出せることが条件で、
1発目のホイール仮装着では僅かにキャリパーの
上下端がホイールに干渉。5ミリのスペーサーを
入れて1ミリ弱のクリアランスを確保できました。
仮装着(ホイール有り)
ホイールを付けて物理的に干渉している箇所が
ないか調査している仮装着時の状態です。
見ての通り、絶妙というか本当に一杯一杯です。
Outlowキャリパー取外し
物理的に収まることが判明したため、
いよいよ本取り付けを行うべく、Outlowの
キャリパーを取り外しています。
当然ですがブレーキフルードを抜かなければ
なりませんので、抜き取り作業を行っています。
エア抜き作業
キットの取り付けが完了し、ブレーキフルードを
入れなおして、フルードのエア抜き作業を行って
いるところです。ここが中途半端だとブレーキの
効きが甘くなったり最悪、効かなくなるという
ことがあるので、大事な作業です。
完成
無事取り付け完了です。
17インチホイールだとローターもキャリパーも
目一杯なので、ブレーキが走っているみたいです。
下に純正ブレーキとOutlowブレーキを比較の為、
参考画像として掲載して頂きました。
純正ブレーキ
Outlowブレーキ
番外編(笑)
番外編です。
あれ?右の見慣れた車は誰のだっけ?
ピットが2つしかないアルロイテで2台同時に
メンバーの車がピットインしているのは珍しいです。
右の車が何をやったかは内緒です(笑)



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